2011年5月22日日曜日

LEAF試乗

乗りに来ないかと提案があったので行ってきました。併せてこのクルマのコンセプトである「ゼロエミッション」は嘘だと思っていたので、その検証も兼ねます。

総じては車としての基本部分(走る、曲がる、止まる)がよくできており、質感も高いので値段の問題をのぞいては、とてもいい車です。


写真やカタログを見る限りではデザインに用いるワークステーションやCADソフトが廃棄されていたと思っていましたがそんなことはなく、しかし他車の寄せ集めデザインによりZero Emissionを達成。格好良いです。


カタログなどからつい、この車もエコカーというエゴカーの類に見られる「絵に描いた」車のように「平面」かと思っていました。しかしそんなことはなく最近流行りの3D効果が確認できます。私は近視なのでメガネを装着して確かめましたが、裸眼の方でも3Dをお楽しみいただけるとのこと。ただしその使い方次第では「酔います」。

ゼロエミッションというコンセプトから足回りは板バネで電池は開放電圧1.2V未満の乾電池かと思っていましたが違いました。ただし使用後にリサイクルしたり、家庭用へ使い回すためゼロエミッションと言って差し支えなさそうです。


タイヤについては異常にゴワゴワしているものでしたが、これはゼロエミッションの名の下で使い回しをしたとしか説明ができない代物。最近になって流行っているタイヤのようですが何せ使い回しなのでグリップ力が不足し、タイムアタックを行おうとすればタイヤとしての役を全うしていないそうです。もっともあまりにもグリップを重視すると、今年のF1を見れば一目瞭然ですが、タイヤカスが出たりタイヤそのものがもの凄い勢いで消費されてZero Emissionに反します。したがってサーキット走行が想定されていないこの車にはこのタイヤで正解です。


CADを諦めなかった結果、リアは「試乗体感実施中!」というシールを除いて結構うまくまとめている印象です。このシールはルームミラーに思いっきり写る(「感」がはっきり見える)のでマイナス評価をしておきました。そしてこの結果、プラスとマイナスの評価が完全に均衡してしまったのでこれまた評価としてもZEROです。このステッカーは市販車ではオプションとしても用意されないようなので、この事実は大変に残念ではありますが、シールを気に入った人が居れば自作する他ないようです。

そして写真で撮影した後にヘッドランプとテールランプがLEDなのでZero "Emission"に反することを確認しました。LEDの"E"はまさに放出という意味の"Emitting"ですからこれは"Emission"と共通の黒幕"Emit"が関与し言うまでもなくクロです(そして幸運なことに車体色がこの事実を如実に示している)。昼間だったのでヘッドランプは使いませんでしたが、後ろの車に追突されなかったところを鑑みると、テールランプのLEDはうまく機能して"Zero Emission"に反していました。

・まとめ

車を作ってさえしまえば排出物はゼロと謳うつもりのようですが、乗車する人間のCO2排出まで抑制できればきっともっと評価されます。例えば車に木を植えることで光合成を行えばいいのではないでしょうか。後方シール(広報シール)をディーラーオプションとして扱わぬ代用として「観葉植物」という選択肢があっても良いと思います。車名がLEAFだからといって親父ギャグを考えたわけではありません。

劣化した電池や充電エネルギーの源、果ては車を作る段階までトータルでゼロと言える時代はまだ遠いようです。

2 件のコメント:

Fe さんのコメント...

brwafe2様

こんばんは。エコカーの記事、大変興味深く拝読させて頂きました。「エゴカー」、なるほどですね。brwafe2様もご指摘の通り、そもそもエネルギー源となる電気をどうやって賄うのか、根本的なことを解決する必要があるのではないかと小生も思います。

車が発明されてから、その基本的構造がほとんど進歩・進化していないのもどうかと思います。あまりにも「車」という装置が人間社会にとって「当たり前」になってしまっているのかもしれません。

常日頃から自然を大事にされているbrwafe2様の思いがとても良く伝わってくる記事でした。ありがとうございました。

brwafe2 さんのコメント...

そうなんです。エネルギーの問題は、たとえば太陽光発電にしても発電パネルの製造にエネルギーを使ったりしています。パネルが劣化した後のことも考えるべきです。

一方で車=悪ではないと思います。そしてHybridや電気自動車はいい方向に向かっています。ただ現状で満足をしてはならぬ、エゴだけでエコを考えてはいけない、そのような考えを持っています。

車が進化していないということは、Fe様に指摘頂いて初めて気づきました。そういえばそうですね。そして電化製品も言えることですが生活において「あってあたりまえ」になっています。

ひとまずLEAFついてはよくできた車です。今後どうなっていくのか注視していきたいです。