2009年11月15日日曜日

新旧Distagon18

このレンズに限りませんが、以前のコンタックスブランド時代と比べて現在のコシナが製造を担当するZeissレンズはどうなの?という話。あくまでメーカ公表のMTFや歪曲収差から議論します。個体差等は考慮に入れませんから、そこまで極めたという人は独自の理論に基づいてヤシコンマウントかコシナ製造を選択して下さい。

まずは表題の新Distagon3.5/18と旧Distagon4/18です。

コシナ社のページに載っている特性表を見るとディストーションが大きめで最大-2%ちょっと。さらに周辺では0.5%まで収束するため全体では陣笠 のように見えると思われます。ただしソフト上の修正を行うとしても最周辺部を一旦負の方向に振ってから全体を正の方向へ振るだけなので楽な筈。

これでもヤシコン時代より歪曲が目立つなどという意見がありました。他のメーカは歪曲収差の特性なんてあまり公表していませんし、18mmのレンズとして絶対的に大きな歪曲かどうか不明。こんな状況でしたが、ようやくヤシコン時代の特性表(以前から見ている人はちゃんと見ていたと思いますが)を見つ けて比べることが出来ました。

結論ですがコシナ社製造のZeissはヤシコンと比較して「歪曲は殆ど同一、開放から安定した性能」です。歪曲については像高に対する歪曲率の勾配がやや異なりますが、最大値や大ざっぱな傾向はほぼ同様に見られます。歪曲を増やさずに開放に於ける性能を高くしたのですからこれは現行レンズの方がよと感じます。でも逆光はどうなのか、ヤシコンの18mmは逆光耐性が強いことで有名でした。

【追記】
周辺部の歪曲収差値が違うため、ヤシコンマウントのほうが素直な描写に感じられます。

またDistagon2.8/21も比べてみました。
こちらはほぼ同一。以前から凄いですが今回もびっくり。歪曲から何からすべて同等となります(厳密にはMTFが少し違いますが、傾向は同一)。現状ではContaxの中古が、なぜかコシナ製の新品とタメ張っているけど私にはコシナ製で十分。

さらに現在コシナ社から発売されているZeissブランドのSLR(一眼レフ)用途レンズも調べてみました。Makro Planar 2/50やDistagon 2.8/25も含めて。限定・記念レンズは別として、少なくとも「通常のレンズ」であれば現行の、つまりコシナ製造のZeissレンズで性能低下しているものはないようです(当たり前か)。逆に言うとヤシコンでもかなり性能は高いです。

蓼食う虫も好き好き。Contaxブランドあるいはドイツ製レンズがいいなら、それはそれでいいのです。コーティングが無茶苦茶濃い個体やキレる珠があるのも事実。ただ、もし私にZeissブランドのレンズを買う機会が与えられ、偶然にもヤシコンとコシナと選べる(同等スペックが存在する)状況で あったのならコシナを選びます。例えば2.8/60Cではなく2/50を買ったように。

こんな記事を書いているのですから、既に買いたいレンズがあることは明白。

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