2009年9月11日金曜日

TOMIX動力台車を整備

果たして有名かは分かりませんが、TOMIXの動力台車(動力車に使われている台車)はメンテナンスをしないと使い物になりません。そこでメンテナンスのポイントを解説します。


(上写真)問題の台車。

さて未整備の台車には問題が二つあるのです。まず最初は

・走りが悪い

買ったままでは走りが滑らかではなく、場合によっては使い古した車両のようにギクシャクした動きになります。決して悪いわけではないのかもしれませんが、十分丁寧に整備してあげればかなり滑らかに走ってくれます。

もう一つの問題それは

・点いてはならぬヘッドライトがちらつく

これは単なるちらつきではありません。本来はテールライトのみが点灯するべき状況で、ヘッドライトも点いてしまうのです。動力車特有の問題で、トレーラー車は問題ありません。初めに気づいたのはキハ22の単行運転時。ライトの不調を感じたら動力台車を分解してみてください。私も信じられませんが、問題が大幅に解消されます。
それでは整備してみましょう。

(注意)動力台車の分解は破損の可能性があります。破損したら、それは分解する人の技能が十分でなかったことを意味します。つまり自信がなければ止めておきま しょう。しかし幸いにも動力台車はテックステーションにて入手可能で、あまり高価な部品ではありませんからチャレンジする価値はあります。ただし部品代を請求しないでください。以下の作業は全て各自の責任にてお願いします(なお手で丁寧に分解すれば通常は壊れません)。


・分解


まず半ば強引に爪を引っかけて半分だけ持ち上げます(下の写真と比較してください)。


続いて4方向にうまいこと引っ張りながらずらしてあげれば大きく二つの部品に分かれます。分けるときは

・歯車の向き
・ゴム付き車輪の方向
・枠の向き

に気をつけましょう。また車輪が外れると集電板も簡単に外れてしまうので紛失しないよう、また内側外側に気をつけてください。


※注意 撮影のため集電板を外していますが、通常は集電板を外さずに作業が出来ます。

重要なのはこちらの側。バラした相手であるプラスチック枠のほうは特に手を加えません(可動部がない、ただの枠なので)。

・塗布


ここの回転部に粘度の高い油を差します。機械用のグリスが適当かと思います。先端が尖った綿棒(模型用のでもいいですし、カメラのメンテナンス用として堀内カラーから出ているものでもOK)や爪楊枝を使うと楽です。塗布部は下の写真を見て類推してください。


黄緑色のグリスが分かるでしょうか。このように回転部にくっつけてやります。歯車には付けるか付けないか迷いますが、付けておきました。ただしあまりにも大量にグリスを塗ると組み立てて線路を走らせたときに油をまき散らすことになるので気をつけましょう。
あとは枠を適当に押し込んで終了です。最後に今回使用したグリスです。


自転車部品メーカとして有名なSHIMANO社が製造するグリスを利用しました。今回のこの作業、液体の油では効果があるか分かりません。

以上の作業を行うことで低速時の粘りが大幅に向上し、また本来点灯してはならないヘッドライトのちらつきが各段に減ります。

(附記・撮影レンズについて)

今回はいつもと同じくCarl Zeiss Makro Planar T* 2/50 ZFを使用しました。が、撮影対象が非常に小さいので殆ど全てNikonのN-M2(Micro-Nikkor-P.C Auto 1:3.5 f=55mm用の中間リング)を用いています。ただし最後のグリス紹介の写真だけは使っていません。

なお中間リングを用いた写真は全て殆ど等倍撮影です。

等倍で開放絞りにした場合まともにピントを合わせられません。また絞っても画質はあまりよくありません。Makro Planarがハーフマクロである理由はこのあたりにありそうです。つまり等倍撮影に向いた光学系ではないのです。絞り込めばまずまず使えますが、シャッ ター速度は遅くなって実用的でありません。
また等倍撮影のためには巨大なヘリコイドが必要となります。ただでさえ大きく重いレンズですが、さらに重くなってしまうのです。そう、Makro-Planar T* 2.8/60("C"が付かないタイプ)のように。



中心部の等倍切り出し。多少は絞ったのだが、それでもこの画質。悪くはないが甘い描写である。

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